LDLコレステロールが高い

LDLコレステロールが高いと、、、

LDLコレステロールが高いと、、、

健康診断で行われる血液検査の項目にもある「LDLコレステロール」とは、いわゆる「悪玉コレステロール」のことを指します。
このLDLコレステロールが基準値を超えている場合、血液中のLDLコレステロールが血管の壁に付着して、動脈硬化を進行させます。動脈硬化は、脳卒中、狭心症・心筋梗塞といった重大な病気のリスクを高めます。
一方でやっかいなのが、LDLコレステロールが多くなったり、動脈硬化が進行するだけでは、ほとんど自覚症状が現れないという点です。
健康診断でLDLコレステロール値の異常を指摘された場合には、自覚症状の有無に関係なく、当院にご相談ください。

LDL(悪玉)コレステロールと
HDL(善玉)コレステロールの違い

LDLコレステロールが悪玉コレステロールと呼ばれるのに対して、HDLコレステロールは善玉コレステロールと呼ばれます。
コレステロールはこのLDLコレステロールとHDLコレステロールに分けられ、以下のような違いがあります。

LDL(悪玉)コレステロール HDL(善玉)コレステロール
主な役割 肝臓にあるコレステロールを全身に運ぶ 血管内の余分なコレステロールを回収する
増えすぎた場合 動脈硬化を進行させ、脳卒中、狭心症・心筋梗塞のリスクを高める 基本的に問題なく、むしろ動脈硬化の予防となる

血中脂質の基準値は?

LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪といった血液中の脂質のことを「血中脂質」と呼びます。
中性脂肪の基準値は空腹時で30~149mg/dLとなり、空腹ではない状態で行った血液検査(随時採血)のTG値が175㎎/dL以上である場合にも、脂質異常症と診断されます。
血中脂質の基準値は、以下の通りです。

基準値
LDLコレステロール 140mg/dL未満
HDLコレステロール 40mg/dL以上
中性脂肪 150mg/dL未満

問題となるのは、LDLコレステロールや中性脂肪が多すぎる、またはHDLコレステロールが少なすぎる状態です。基準値から外れている場合には、動脈硬化が進行したり、血栓が生じたりといったリスクが高くなります。

LDL(悪玉)コレステロール値が高くなる主な原因

LDL(悪玉)コレステロール値が高くなる主な原因LDLコレステロールの値が高くなる原因のほとんどは、生活習慣の乱れにあります。

脂質の摂り過ぎ

もともと日本には適度な脂質が摂れる食文化が根付いていましたが、近年は食生活の欧米化によって、脂質の摂り過ぎが問題となっています。
特に、動物性脂質、パーム油に多く含まれる飽和脂肪酸は、LDLコレステロールの値を上昇させる大きな原因となります。

トランス脂肪酸の過剰摂取

マーガリンやクッキーやパンや洋菓子など多く含まれているトランス脂肪酸はLDL(悪玉)コレステロールが増加し、HDL(善玉)コレステロールが減少させる働きがあります。

喫煙や飲酒

喫煙によって体内に入った化学物質は、血管にダメージを与えます。これにより血中の酸素が不足し、血管の炎症・血流低下を招くことで、血栓が形成されやすくなります。
また過度の飲酒も、LDLコレステロールや中性脂肪の増加につながります。

運動不足

運動不足によって肥満になると、LDLコレステロールの増加を招きます。特に内臓脂肪型の肥満の方は、LDLコレステロール・中性脂肪の値が高くなる、HDLコレステロールの値が低くなる傾向があります。

加齢によるホルモンバランスの乱れ

女性の場合、更年期・閉経によって女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が急激に減少します。LDLコレステロールを減らす・HDLコレステロールを増やす作用を持つエストロゲンが減少することで、LDLコレステロールの値が高くなってしまうのです。

体質や遺伝

家族性高コレステロール血症の方は、体質・遺伝によって、生まれつきLDLコレステロールの値が高くなる傾向が認められます。
LDLコレステロールの値が高い・脂質異常症と診断された血縁者がいる方は、特に注意が必要です。

高LDLコレステロール血症を放置するとどうなる

健康診断で高LDLコレステロール血症の疑いを指摘されても、忙しさなどを理由に医療機関を受診しない人が少なくありません。
高LDLコレステロール血症を放置する危険性について、解説します。

高LDLコレステロール血症は無症状

高LDLコレステロール血症である場合も、基本的に自覚症状がありません。それゆえ、「症状が出てから受診する」という人は、いつまで経っても受診に至らず、気づかないうちに進行させてしまう可能性が高くなります。
たとえまったくの無症状であったとしても、数値に異常がある場合、高くなってきた場合には必ず医療機関を受診してください。
なお女性は、エストロゲンの量が減少する更年期・閉経の時期に高LDLコレステロール血症を発症するケースが多くなります。

動脈硬化の原因になる

高LDLコレステロール血症は、数年~数十年単位で、徐々に身体をむしばみます。
LDLコレステロールの値が高い状態が続くと、動脈硬化を進行させ、血管が狭くなります。
動脈硬化が進行してもほとんど自覚症状がない点が、高LDLコレステロール血症のおそろしさです。

LDL(悪玉)コレステロールが高い場合に引き起こす病気

LDL(悪玉)コレステロールが高い場合に引き起こす病気LDLコレステロールが高い状態が続くと、全身の血管がもろく硬くなる動脈硬化が進行します。血栓も詰まりやすくなることから、脳卒中、狭心症・心筋梗塞といった、時に命にかかわる病気のリスクが高まります。
こういった重大な病気を発症するまで、ほとんど自覚症状はありません。

LDL(悪玉)コレステロール値を下げる生活習慣

LDLコレステロールの値を下げるためには、以下のような生活習慣が大切になります。
脂質異常症、糖尿病、高血圧症の予防にもつながりますので、ぜひ早くから取り入れましょう。

栄養バランスの整った食事を心がける

栄養バランスの整った食事を心がける

栄養バランスの整った食事は、生活習慣病の予防・治療において特に重要となります。
糖質・脂質・タンパク質といった三大栄養素に加え、ビタミン・ミネラルをバランスよく摂りましょう。
LDLコレステロール値や中性脂肪値を下げるという観点からは、飽和脂肪酸を多く含む動物性たんぱく質(肉類・卵など)を控えめにし、大豆・魚などを意識的に摂取することが大切です。大豆には食物繊維が、魚にはEPAやDHAといった不飽和脂肪酸が、それぞれ豊富に含まれています。

体重増加を防ぐために適度な運動を取り入れる

体重増加を防ぐために適度な運動を取り入れる

適度な運動は、LDLコレステロール値の改善において重要な役割を果たします。
年齢・お身体の状態にもよりますが、毎日30分以上の有酸素運動が推奨されます。お仕事などのライフスタイルに合わせて、継続しやすい種目・強度の有酸素運動を継続しましょう。
なお、必ずしも30分間連続して運動する必要ありません。朝10分、昼10分、夜10分と分割して運動をしても、同様の効果が期待できます。

禁煙や節酒に努める

血中の酸素不足や血管の炎症、血流の低下を招く喫煙は、高LDLコレステロール血症を含めた生活習慣病の大敵です。できる限り禁煙をしてください。
また飲酒は、LDLコレステロールや中性脂肪の増加につながります。コミュニケーションやストレス解消に役立つ面もありますが、飲み過ぎは控えましょう。

検査について

空腹時の採血検査

LDLコレステロールを含め、血液検査の結果は、食事の影響を受けやすいため、空腹時に採血する必要があります。採血前の10時間は絶食としてください。水・お茶は適量飲んでいただいて構いません。

超音波検査

脂肪肝など、肝機能障害によってコレステロールの異常値が検出されることもあるため、超音波検査を行います。
脂肪肝は肝硬変、さらには肝臓がんを引き起こすこともあるため、決して見落としてはいけません。
当院では、頸動脈エコー検査などの動脈硬化スクリーニングを行い、現在の動脈硬化の状態を評価しより最適な治療を提案します。
痛み、被ばくの一切ない検査ですので、安心して受けていただけます。

頸動脈エコー検査でわかること

頸動脈エコー検査は、首にゼリーを塗り、プローブと呼ばれる超音波機器を当てて、頸動脈の状態をモニターに映し出す検査です。
この検査は身体の表面から行うため、放射線を使用するレントゲン検査と異なり被ばくの心配がなく、身体への負担が比較的少ないのが特徴です。
頸動脈エコー検査は、動脈硬化の有無や進行状況を確認すること を主な目的としています。
具体的には以下の点を調べます。

  • 血管壁の厚さの測定
  • プラーク(血液中のコレステロールなどが沈着した物質)の有無
  • プラークによる血管の狭窄具合や、血管内の状態

また、認知症の一つである「血管性認知症」は、脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患が原因とされる場合に診断されます。
中でも脳梗塞は、動脈硬化が主な要因となる疾患です。そのため、動脈硬化の進行具合を把握することは、血管性認知症のリスク評価において重要な役割を果たします。

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